「こころの情報」は三方向に出る

扁桃体は海馬と側坐核をコントロールするとともに、視床下部、脳幹を通じて体をコントロールしています。扁桃体からの「こころの情報」の種類によって三方向に分かれます。
もの覚えに関する記憶認識系の情報は海馬に送られます。海馬からは、側頭、頭頂、後頭の各連合野に出力されます。
扁桃体と海馬の障害による代表的な症状は、もの忘れと集中力を欠くことで、進行すると認知症、アルツハイマー病に発展するそうです。
やる気に関する意志行動系の情報は側坐核に送られます。側坐核からは、前頭前野と各運動連合野に出力されます。扁桃体と側坐核の障害は、やる気を失い、楽しくない気分を招き、ひきこもり、不登校などにつながるそうです。
側坐核は大きな特徴ある細胞が広い範囲に分布しており、海馬や扁桃体のような明らかな形をもっていない器官ですが、細胞数が減ると問題が起きるそうです。
愛情や憎しみに関する情動新体系は視床下部方向へ向かいます。扁桃体が壊され、障害の影響が扁桃体支配下の視床下部に及ぶと、自殺や殺人などの凶悪犯罪を含む情動障害、激怒や飢え、性欲の異常、自律神経の失調などの症状が起きてくるそうです。若い人の爆発事件はこの経路で起きているそうです。
混合型精神病や認知症などの「こころの病気」は、いずれもこの三つの系統の情報出力が障害されます。どの出力がどう障害されるかのバランスで症状が変わってくるようです。
結局、うつ病、統合失調症、認知症などの精神疾患の基本は、すべて扁桃体のようです。


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